6月26日(金曜日)からレースウィークを始めました。
今回はワンDayのレースですが、フルコースでの練習と準備の為に、前もって現地入りします。
天気予報が当てにならない昨今で決勝日の天気予報に翻弄されていましたが、この時点では雨の可能性は少なそうです。
この日の天気は快晴で気温も30度ぐらいありました。気温は低めですが日ざしが強く路面温度が高めです。今までに無い路面温度の状態でした。
マシンは、数日前のウェット路面で前後のバランスを見ておいたので、路面温度上昇によるグリップバランスを見るのが目的でした。
ドライバー内田は、ドライブインフォーメーションをメカに伝える能力が備わっていないので、車両の動きを見て判断します。
インカムをつけていますので、エンジンの音やタイヤのスキール音を把握することができます。
今回持ち込んだセッティングでドライのフルコースは始めての組み合わせですが、ウェット路面でのセッティングが非常に助けになり、
コーナーでの失速を押さえながら旋回するマシンに仕上がり、マシンの状態は上々の出来でした。
ドライバーも調子に乗って来たのですが、「今日、ベストタイムは要らない、明後日にベストタイムが出るように練習をしてくれ」と
何度も伝えました。
実は、6月初旬、ラップタイムに伸び悩みがあり、いわゆる壁に当っていたのです。
その壁を勢いで超えてもらおうと、この日はホップステップジャンプの”ホップ”の日だったのです。
それでも、自己ベストタイムに並ぶタイムは出ていたのですが…
まだ、天候も判りませんので、この時点でのラップタイムの一喜一憂は意味をなさないからです。
6月27日(土曜日)
2本のスポーツ走行が有り、エントラントが集結します。この日は気温も高く日射しも灼熱の様で温度計は38度を指していました。路面温度も非常に高くなってました。
ですが、決勝日の天候は曇りの予報です。決勝の時間に因っては晴れる事も想定されていました。
高い路面温度での特性変化だけを確認して、あえて、セッティングはしませんでした。
1本目は午前中のため、少し日射しが弱かったので、路面温度が低めでマシンも調子良く、前日と同じ動きをしています。
トップドライバーのタイムには届きませんが、マシンの動きは調子良く、ドライバーもコースの中で自信をつけて帰って来ました。
2本目は真夏の様な日射しになり気温も路面温度も急上昇しました。
雨の予報も有り、ドライのタイヤの本数が少ないのと、この路面はあり得ない等の理由で、車の動きの確認とドライバーが苦手なコーナーを走りたいと言う事でコースインをさせました。
しかし、経験の少ないドライバーは、状況の変化に精神的に乱れ始めました。
1本目から比べるとステアリングインフォーメーションの無さや路面温度上昇に因るラップタイムの低下に焦り始めたのです。その焦りは、基本を忘れる程でした。
フロントタイヤは痛み、決勝日を迎えるに少々不安が付きまといます。
ドライバーには、本日が何の為にあるのか、今レースをしているわけでは無いと言う事を理解してもらい。決勝に向けて準備をして帰途につきます。
6月28日(予選決勝)
昨日の2本目は無かったものとして気分一新して予選に挑みます。
この気分転換ができるのは内田の良い所です。
チーム内での、要望もレーサーらしい振るまいになり、私共もそれに応えられる様に動きます。
予選
モテギの予選は15分です。ラップタイムから考えると6周しかアタックができません。
練習の時から2、3周でベストが出るように調整してきましたので、練習と同じ精神状態になるようにコントロールします。
アタックの1周目から自己ベストを更新し2周目には大きく上回るタイムを記録しました。
ベストタイムを出し続けたせいで思ったより前走者に追い付いてしまい、3コーナーで突っかえてしまい、アタックを中断せざるをおえませんでした。
願わくば、譲って欲しかったのですが、予選最後尾に位置するドライバーだったので、余裕が無かったのかもしれません。
これも”流れ”として受け止めました。
アタックを再開するもベスト更新ならずで終了、22位でした。
しかし、順位よりドライバーも私どもも自己ベストが更新出来た事や、良い精神状態で集中出来た事など、目的を果たせた事に
喜びました。
ドライバー内田も初めてレースを体験していると思います。
富士の開幕戦の時の様なスリップに入れた入れないで順位が大きく変動するサーキットと違って実力で得たポジションに私どもは大きく満足しました。
一昨年の予選では最下位だったのですから、20人以上を抜いた事になります。
決勝
レースは先頭の5、6番手のマシンが1コーナーにて挙動を乱し、追従するマシンが右往左往する展開になりました。
内田が1コーナーに入った時にはコース内で横を向いているマシンを確認するほどの荒れた展開でした。
その状況を見ていなかった後続車が内田に激突して、今回のレースはリタイヤになりました。
今回のレースには練習の過程でスランプに陥り、チーム力でそれをカバーし、良い状態で予選まで漕ぎ着けました。それなのにスタート直後の1コーナーでぶつけられた事は非常に悔しくて、理解をする事は難しかったです。
予選も上位で、前を走っている前走車にぶつかってくる事は理解ができません。
上位グループが乱れてコース内を右往左往している中です。注意を払ってレースをして欲しい物です。
もし内田が遅いのならば抜けば良いのです。彼女は抵抗しないでしょう。
後続ドライバーが行き場所を失ったというのは理由になりません。その方は予選が下位で1コーナまでに内田を抜けなかったのですから…
横に居たわけでも無く、前後ろの位置関係ですから、ラインの選択権は前車にあります。
前車の横が開いていれば前車がイン側を狙う事は想像できると思いますが…。
みなさん、内田の状況が自分だったらと考えて下さい。目の前に広がる有らぬ乱れたマーチの動きを見て、タイヤの暖まり方も様々なスタート直後の1コーナーです。前車達のイレギュラーな動きを見て、若干アンダースピードで入るのは普通じゃ無いでしょうか?
そこが、ぶつける程、攻め時でしょうか?順位は20番手付近です。
順番通りに行けとは申しません。
後ろは3列だったそうですが、外側の方も内側の方もラッキーと思ったでしょう。抜けるって思ったでしょうから…『まん中の奴は居場所が無い』って…
エントラント皆さんが0,1秒を削る為に少しでも速く走る為に多くの練習をした結果が予選です。与えられた環境下で出したベストタイムです。
1コーナーの前走者にぐらい敬意を払って欲しいものだと思います。「貴方は負けたのですから…」
予選の負けは決勝で返しましょう。それがレースの愉しみです。レースは10周あります。スタート直後の1コーナーだけではありません。
エントラントの皆さんが練習や費用を積み重ねてレースに挑まれているのだと思います。もう少し、大事に行きましょうよ。
当事者の方には謝罪をして頂きました。
私どもは取り戻す事の出来ない貴重な1ポイントを失いマシンは走れない程リアフレームが大破してました。
レースに対する取り組み方や、モチベーションの維持の仕方など勉強になった1戦でした。
ただ、レースの長丁場での場所取り駆け引きを学べなかった点は心残りとなります。
ドライバー内田も一昨年の参加しているだけで、皆さんの後ろを走っているだけというレースから、激戦区に居る事を痛感していると思います。
レース後の私どものピットに来て頂き、暖かい言葉をかけて頂きお気づかい頂いた皆様の事は私どもの糧となります。ありがとうございます
レースを2戦終えて、結果が残せなくて心苦しさは有りますが、引き続き応援をヨロシクお願いしたします。
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